このたび、日本線維筋痛症・慢性痛学会 第15 回学術集会(第11回 日本臨床カンナ
ビノイド学会学術集会・総会との合同開催)において大会長を務めさせていただく機会
を賜り、大変光栄に存じます。ここに心より御礼申し上げます。
本学術集会は、線維筋痛症や慢性痛に関する最新の研究成果を共有し、患者支援や医
療連携の発展を目指すため、医師や研究者、関連領域の専門家が一堂に会する貴重な場
です。昨年度も200 名を超える医師や研究者が参加し、活発な議論と交流が行われまし
た。今年はさらにコメディカルや多職種の参加を広く募り、より多様な視点を取り入れ
た議論を展開し、活気あふれる集会を目指しております。
本年のテーマは、「患者に寄り添う医療と研究の融合—慢性痛克服への挑戦」といた
しました。慢性痛や線維筋痛症に苦しむ患者さんに寄り添い、その声に耳を傾けながら、
病態の解明と治療法の進展に取り組む重要性を改めて考える機会としたいと考えていま
す。近年、「痛覚変調性疼痛」という新たな概念が定義され、病態理解が大きく進展す
るとともに、病態に基づく治療薬の可能性がますます期待されています。こうした新た
な知見を踏まえ、臨床と研究が一体となって、患者さんにとって真に有益な医療を追求
することが求められています。
本学術集会では、日本全国から医療従事者が集い、慢性痛に対する診療の現状と課題
を共有し、次の時代の医療を共に考える場を創り上げていきます。この取り組みは、患
者さんの生活の質を向上させるだけでなく、診療ネットワークの強化や社会全体の理解
促進にもつながると信じております。
本学会の趣旨にご賛同いただき、ぜひご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げ
ます。皆さまのご参加を心よりお待ち申し上げております。
大会長 山野 嘉久
聖マリアンナ医科大学 脳神経内科